DV、モラハラ、児童虐待の加害者更生プログラムの学び(アド塾7日目午後)
DV加害者更生プログラムの考え方について、ぜひとも小学校の先生にも知ってもらいたいし、子どもたちにもこの知識を身に着けられるようにしたい、そう思った講義でした。
男女共同参画アドバイザー養成塾の7日目、午後の講座(第13回目講座)はDVやモラハラ、児童虐待の加害者への更生プログラムについてがテーマでした。
これまで、DVといえば、被害者が加害者から逃げるしか方法がないように考えられていました。
ですが、逃げるとなれば負担が大きく実際にするのは大変だし、加害者が変わらなければ被害者を追いかけてきたり被害者が増えたりすることにつながって根本的な解決にならないため、加害者更生プログラムが実施されるようになってきたのです。
加害者が知識がないために起こっていることも多く、長い期間をかけて考え方を学んで実践していくことで加害者が更生されていくとの話でした。
学んでいて、その考え方自体が必要な人がとても多くいると感じました。
家庭の中だけのことではなく、会社や学校でのあらゆるハラスメントも、この考え方がもっと広まっていたならばものすごく減ると思います。
基本的な考え方として、もっと広く伝えられるようになってほしい。
今回はこのDV、モラハラ、児童虐待の加害者更生プログラムについての講座を受けた紹介記事です。
この記事の目次
DV、モラハラ、虐待のない社会に必要なこととは
今回の講座はDVやモラハラ、虐待をしてしまった加害者にどのような働きかけをしていくかと、加害者を創らないための教育を推進していく必要性について話されていたのですが、非常に良い話でした。
何が良いって、どんなに被害者を守ったところで加害者が存在している限り、被害の対象が変わるだけであってそれ自体がなくならないからです。
そもそも、被害者だけを逃げさせて加害者に何もしないのがおかしいって思うんですよ。
それじゃ根本的な解決になっていないし、逃げさせられる被害者にとっての負担が多すぎる。まるで、被害者が悪いとでもいうのか?と言いたくなるような事実です。
今回、加害者更生プログラムをどのようにしているかという話を聞いて、これはもっと広げてすべての人が知識として持っている状態にすることがとても大切だと感じました。
その理由は、会社とか学校で、上司は教師が普通にモラハラをしていると感じたからです。
どの程度がDVになるのか、という視点での説明があった時に、程度の低いものに当てはまることをしている人は非常に多く、そもそも「これってダメなんだ」ということに気が付いていない。
というか、そこそこにひどいレベルのことも、DVやモラハラに当たるということに気が付かずに普通にやってる人がめちゃくちゃたくさんいると思います。
私の子供が通っている学校の先生も確実に当てはなまるなって感じる部分があるので、ぜひとも先生たちにもこの教育を受けてほしい。
大人たちが知識なくそういった行動をすることで子どもたちが加害者や被害者になってしまうのだと思うのです。
何がDVやモラハラに当たるのかということに気が付くことの必要性
DVをする人と聞くと、なんだか怖そうな人をイメージすることが多いと思います。ところが、実際にはどこにでもいそうな普通の人がDVの加害者なのだそうです。
事実、DVをしている人は本気で自分がDV加害者だと気が付いていないことが多い。
DVと聞くとものすごい暴力をしているように感じますが、それだけではなく、精神的な暴力がとても多くて加害者自身は暴力だと思っていないんですね。
実際に、被害者もけっこうひどいDVを受けているにも関わらず、自分がDVの被害を受けているということに気が付いていないことも多くあるのだそう。
だけど、傷付き、心がボロボロになって、もう我慢ができなくなっていることが多くあるのです。
DVやモラハラは相手をコントロールし、相手を支配することです。
- 酷いDV : 殴る
- DV : 怒鳴る
- 中くらいのDV : 束縛
- 軽いDV : ねちねちうるさい
- DV予備軍 : 不機嫌
★対等な関係であることが大切。
ここで紹介してある被害のレベルを確認してもらいたいのですが、DVだと思わずに、ここに当てはまることをしている人は非常にたくさんいるのではないかと思います。
一つ一つをもう少し細かく見ていきます。
一番酷いレベルのDV : 殴る
誰もがDVだと判断できる、一番ひどいレベルのDVです。
- 殺人
- 傷害
- 暴行
- 暴力
- 精神的、性的、経済的に重大な被害を与えるもの
DV : 怒鳴る
DVなのだけど、被害者が「自分はDVされている」と気が付いていないこともあるDVです。
- 恐怖感を与えている
- 命令がある
- 強い嫉妬、監視、束縛
- NOと言わせない
- 成長を邪魔している
中~軽度のDV : 束縛・ねちねちうるさい
グレーゾーンのDVです。
- 自己決定が尊重されず自信を失う
- 自信を奪う
- 友人が減る
- 顔色をうかがう関係
- 軽い嫉妬・束縛
DV予備軍 : 不機嫌
DVになりそうで気を付ける必要があるレベルです。
- 元気がなさそう
- ときどき楽しくなさそう
人に物事を伝えるときに主語を自分にして伝える「アイ(I)メッセージ」は、コミュニケーションでよく進められていますが、使い方によってはこれもDVになる可能性があり、使い方には十分に注意する必要があるとのことでした。
内容をよく確認してもらいたいのですが、DVやモラハラであると気が付かずにしてしまっていることがないでしょうか?
こういった内容を知ることで子どもへの支配的な態度もなくなるので児童虐待もなくなっていきます。
というか、本当に学校の先生に確認してもらいたいのですが、怒鳴るの項目に書かれていることを普通にしている先生はめちゃくちゃいると感じます。
もちろん、ものすごく悪いことをしたときには注意することも必要ですが、不必要に圧力を与えていると感じます。
教員自体がこれらの知識を持っていないのでないかと思いますし、こういった内容をきちんと教育していくことで明らかにDV・モラハラが減っていくことは間違いないと言えますよね。
これらがモラハラだと知らない上に、どのように考えてどのように対応することが良いのかということを学んで知っているのと知らないのでは大違いだと思います。
対等な立場としての考え方 シングル単位
夫婦が対等な関係でお互いが自己決定権がある考え方を講義ではシングル単位という考え方ですすめられていました。
相手と自分を分離して考えて、DVをして更生プログラムを頑張ったとしても、妻には離婚をする権利がある、「やってあげた」「したった」だから、「やってもらって当然」と考えるのではなく、自分が何かをしたことと、相手がどうするかは別の問題である、ととらえる考え方です。
この考え方は非常に良いと思います。
自分と他者を明確に分けて考えることで自分らしさを保つことができますし、違うことでイライラすることもなくなると思います。
DV・モラハラ。児童虐待の講義を受けて感じたことまとめ
DV加害者にはまだまだジェンダーの古い意識が強い人が多く、夫はこうであるべき、妻はこうであるべきという認識が強く、夫婦が対等な関係でいられていないことが多いとのこと。
男女が対等な関係であることがもっと浸透すればDVの被害は少なくなるのかもしれません。
ですが、根本的に、どういうことがDVやモラハラになって、人を支配しようとしている行動になるのかということを知って、どのようにコミュニケーションをとることが良いのかということを知る必要はあると思います。
夫婦間のDVだけではなく、会社の上司や学校の教師も、意見を伝えるのではなく相手を支配するようになってしまっておることが多々あると考えられるからです。
これらの知識を学校教育の中に組み入れることで相手を支配することなく、また、支配されることが当然だと思ってしまわずに相手のことを尊重する習慣ができていくのではないかと思いました。
また、講義の途中で講師の方が言われていた、「会社での決まった仕事に自分のすべてを使ってしまわないで、体力を残して帰って妻に向き合えるようにしたら良い」と言われていたのも、その通りだなと思いました。
日本の風土って、対外的なことに力を入れて家族や自分のことを後回しにしがちな部分があると思うのです。
それはそれでよい部分もあるのだろうけれど、そんな風習が家族や自分を苦しい立場に追い込んでいるという面はあると思うのです。
自分が何を大切にすることが、自分にとって幸せでいられる環境になるのかということを考えて、選んでいけるようになれば、自然と仕事に自分のすべてをささげるのではなく自分や家庭を大切にする方に意識が向くのではないかな?
もしかしたら逆に仕事にすべてをささげることが幸せな人もいるのかもしれませんが…。
どちらにせよ、他者とのコミュニケーションをするうえで、相手を対等な関係として尊重できる考え方ができるようになることはとても大切なことだと感じました。
それでは。
土出麻美でした。