「喉神」という違った視点から自分をとらえなおすことで個性や特性(自分らしさ)を受け入れて望む生き方を創っていく。土出麻美のエッセイブログ

専業主婦って無価値なの?罪悪感が誤りである理由(男女共同参画社会)

 
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「Yes★喉神サマ⁈」の著者。 小学生と中学生の母親で義母のお世話もしている主婦。 社会福祉士の国家資格を持ち、福祉施設や行政機関で支援員・相談員の経験あり。結婚出産育児をきっかけに自分の心の闇と向き合うことになり、それがきっかけでヒプノセラピーやヒーリングなども学んだ。 県の男女共同参画アドバイザー養成塾を修了。
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男女共同参画社会が言われるようになり、女性が外で働くことが非常に増えてきました。

 

女性が働くことが増えるにつれて、仕事をしていない専業主婦は(専業主夫も)肩身が狭いように感じるということが起こってきています。

 

 

昔は女性が家で家事をして、男性が外で働くことが当たり前だった時代がありました。(ちなみに、この女性が専業主婦だった期間は日本では長くありません

 

 

今はその専業主婦時代よりも男女共働きが増えてきています。(どちらか、もしくは両方がパート勤務であったとしても、どちらも働いていたら共働きです。)

 

 

とはいえ、まだ女性は結婚したら専業主婦に…という考え方も残っています。

 

 

専業主婦でいることを望んでいる女性もいますが、本人が望んではいないけれど、専業主婦にならざるを得ない状況の人もいるのが現実問題としてあります。

 

 

そんな中、専業主婦であることが、価値のない存在であるように感じで悩んでいる女性も少なくないようになってきているのです。

 

 

賃金を得ることができる仕事をしていないことに罪悪感を覚えてしまっているのです。

 

 

ですが、男女共同参画が進んだからと言って専業主婦が価値のない存在であると考えるのはあまりにも暴力的であると私は言いたい。

 

 

専業主婦は価値のない存在ではありませんし、男女共同参画社会とは賃金を得ていない専業主婦が価値がないと言っているわけではありません。

 

専業主婦の人が「自分は価値のない存在である」と感じて罪悪感にさいなまれるような状態はいけません。

 

 

というか、視点を変えて価値をどこに置くかを考えたとき、実は専業主婦の方が多くの価値を生み出している、ものすごい価値のある存在であるということができるのです。

 

 

今回は、専業主婦が「価値がない存在だ」と罪悪感に苦しむことがいかにおかしいことであるか、専業主婦という存在の価値について紹介していきたいと思います。

 

 

専業主婦が価値のない存在だというような考え方は男女共同参画社会が目指している社会とは方向が違ってしまっているということができます。

 

 

なので、それも踏まえてご紹介していきたいと思います。

 

 

 

専業主婦の生み出す価値は壮大なものであるということができる

 

女性が働いて収入を得ることが増えた世の中で、専業主婦(専業主夫)は直接的に収入を得る仕事をしていないとこが理由で「自分には価値がない」と思ってしまうことが少しずつ増えてきているな、と感じます。

 

 

価値がないように感じてしまう気持ち、私にはわかります。

 

なんだか、お金を稼いでいないから、申し訳ないような、社会の役に立っていないんじゃないかって考えてしまう…。

 

 

だけど、「私は家事しかしていないから」「私は外で働いていないから…」そんなことで専業主婦(専業主夫)である自分が価値がない存在のように感じてしまうことはとっても悲しいことだと思います。

 

 

専業主婦は仕事をしていないというわけではありません。専業主婦(主夫)は、家事と言う無償の労働をしています

 

こういった家事などは誰かに雇用されてしている仕事ではないので収入は得られません。だけど仕事は仕事です。

 

 

とはいえ、実はこの仕事以外にも、専業主婦が生み出している価値がすばらしいということができる考え方があります

 

 

それは非地位財ひちいざいと呼ばれるもの。

 

 

「地位財」「非地位財」という視点で見たときに、実は収入を得ることができる仕事よりも、収入を得ることができない専業主婦のような存在の方が生み出している価値が大きいと考えることができるのです。

 

 

他者との比較とは関係なく幸せを得られるもの「非地位財」を生み出す主婦(主夫)の力

 

「非地位財」とは見出しにも書いた通り、他人との相対比較とは関係なく幸せを得られるもののことです。

 

これは、経済学者のロバート・H・フランクが整理したものです。

 

  • 周囲と比較して満足を得られるもの「地位財」 … 所得・貯蓄・社会的地位・家や車などの物的財。
  • 他人と相対比較とは関係なく幸せを得られるもの「非地位財」 … 愛情・健康・自由など。

 

地位財で得られる幸福感は長続きしないのに対して、非地位財は幸福感が長続きすることが特徴です。

 

 

この非地位財を作り出す担い手として主になっているのが専業主婦(主夫)なのではないか?という記事を発見しました。→(「専業主婦の価値はゼロ」稼ぐ夫の大誤解

 

 

この記事は、「地位財」「非地位財」を整理したロバート・H・フランク著『幸せとお金の経済学』の訳者の方が書かれた記事です。

 

 

書かれている内容は、専業主婦が担っている仕事のうち、外注することができないものが多く存在し、その主婦が担っている仕事こそが非地位財を多く生み出しているものではないだろうか?ということでした。

 

確かに、外で収入を得るためにする仕事は、その多くがほかの人でも変わりがきくものであり、それ自体は他者と比較して満足を得ることができるまさに、地位財です。

 

 

家で、家族のためにどこかに出かけるプランを考えること、家族が喜ぶようなことを考えて実行することは非地位財であることが多いといえると思います。

 

 

例えば子供が家から帰ってきたとき、夫が仕事から帰ってきたとき、誰もいない家よりも「おかえり」と迎えてくれる人がいることの方が幸福を感じられることが多いですよね。

 

一人でいたいときもあるのかもしれないけど。そんな日ばかりではないはず。

 

 

つまり、金銭は物的な価値に重きを置くのではなく、持続する幸福感を基準で考えたときには、無償で家族に奉仕している主婦(主夫)の方が多くの価値を生み出している、ということになるのです。

 

 

ちなみに、念のために言っておくと、金銭的な収入に価値がないと言っているのではないですよ。

 

でも、人って、ただお金や物のために生きているのではなくて、幸福感や満足感を得るためにも生きているはずですから、そこに価値を置かないのはちょっとおかしい考え方になってしまうと思うのですよね。

 

 

いろんな角度から、何に価値を置くのかを考えてみてみることって大切だと思うのです。

 

 

他人との比較とは関係なく得られる「幸福感」という価値に重きを置いたときに、主婦(主夫)は多くの価値を生み出している存在であるということができるということがわかります。

 

 

つまり、専業主婦(主夫)は非常に価値のある存在であるということができるのです。それが専業主婦(主夫)が持っている力なのです。

 

 

十分に価値を生み出すことができている存在なのに、「価値がない存在だ」と感じて罪悪感に苦しんでいるなんて理不尽だとは思いませんか?

 

そんな罪悪感は全く必要ないのです。

 

 

 

男女共同参画とは女性が男性のように働くためだけの法律ではない。

 

男女共同参画がよく言われるようになり、ジェンダー平等がよく言われるようになったことで、非常に仕事をしている女性が増えていますし、女性が働くことが推奨されています。

 

 

こういった社会の中で、専業主婦(主夫)は外で仕事をしていないことに罪悪感を覚えて苦しみ、自分には価値がないように感じてしまっています。

 

 

ですが、男女共同参画社会とは「女性が働かなければならない」という意味だととらえてしまうと本来の意味とはずれてしまっています。

 

 

男女共同参画社会とは男女が共に働くことという意味ではなく、対等な立場で社会を構成するという意味である。

 

よく勘違いされがちですが、男女共同参画社会とは男女がどちらも働かなければならないという意味ではありません

 

男女が対等な関係として社会のあらゆる場面で責任を担っている社会です。ここで責任を担うべきものは金銭的な収入を得ることができるような仕事(雇用されて働くなど)のことだけではありません。

 

 

家庭での家事や育児・介護のような無償でされている仕事も入りますし、地域社会での活動なども含まれているんですね。

 

 

専業主婦(主夫)は仕事をしていないからダメなのではなくて、お互いに対等な関係として責任を負う必要があるので、家での無償の労働も、金銭を得るための仕事も、どちらもが同じように責任を持っている必要があるのです。

 

 

「主婦が家事をして当然だ!」ではなくて、どちらも家事をすること、それがきちんとされていることに責任を持っていないといけないし、収入を得る仕事についても同じことが言えます。「あなたが稼いでないから悪いの!!」とは言えないわけです。どちらも同じに責任があるということ。

 

 

夫婦ですから生活費を稼ぐことも家の中の仕事をすることも、二人で助け合ってそれらをこなしていく必要があるのであって、どちらがどちらをメインでするか、もしくは、まったく平等に分けるのか、ということは当事者同士で決めればよいのです。

 

 

「こうでなければならない」という決まりはないので、お互いが納得して協力して生活することができているのであれば「専業主婦だから価値がない」とか言うようなことはないんですね。

 

 

「男女共同参画=女性が外で働かなければならない」というわけではないのです。

 

とはいえ、働きたいと思っている女性が働くことができないようになっているのであれば、それは改善する必要があります。

 

 

女性であればみんながみんな専業主婦になりたいわけではありません。

 

 

家事を主導でやっていた女性が外で働こうと思ったときに、これまで積み重ねられてきた男性が長時間働くようなスタイルのままでは働くことが難しくなってしまうのです。

 

男性が専業主夫になってくれているのであれば可能ですが。

 

 

共働きをするためには、それまで家庭の仕事をしてきた時間の確保が必要になります。

 

働くことができる環境にするためにはパートナーの協力が不可欠ですし、パートナーだけでなく、職場環境や地域社会など、いろんなものが変わる必要があります。

 

男性ばかりの仕事だったら女性が働きにくい環境であることも多くありますしね。

 

対等に活躍できる社会が必要ですよね。

 

 

それを改善させるために、意見を言うことができて環境を変えることができるような地位の高い職種に女性がいる必要があります

 

それ以外にも、これまで男性ばかりだったところに女性が入って意見を言うことで新しい視点が生まれて環境を変えていくことができる。

 

 

だから、女性が社会で働くことが必要とされています。だから、女性活躍と言われています。そのためにも男女共同参画社会が進むことが必要になってくるのですね。

 

 

とはいえ、それと専業主婦が無価値であるとか言う話は全く関係のない話なのです。

 

 

より良い社会に変えていくために必要なのが、女性の社会参加でありますが、それには個人の意思による参加が必要で嫌がっている人を強制的にさせるものではないし、していないからと言って自分を責める必要はないのです。

 

 

今、世界では多様性が求められています

 

「絶対にみんな働いていないといけない」という社会であったら、まったく多様性が認められる社会ではないですよね。

 

考え方が極端すぎるんです。

 

もっと様々な考え方の人が、それぞれの思うように生きられる社会であることが、いろんな人が暮らしやすい社会であると思います。

 

 

男女共同参画社会が進んで働く女性が増えたからと言って専業主婦が価値がないというのは誤った考え方。専業主婦は大きな価値を生み出している。

 

男女共同参画社会が少しずつ進んできて、女性が雇用されて仕事をしていることが増えてきました。

 

 

共働き家庭が増えることで、賃金を得ることができる仕事をしていない専業主婦が「自分には価値がないのではないか」と感じることが見られるようになってきています。

 

 

ですが、収入を得ることができるような仕事をしていることだけが価値があるのではありません

 

 

非地位財という価値基準で見た場合に、専業主婦の方が多くの価値を生み出していると考えることができます。

 

 

男女共同参画社会とは、男女がどちらも働かなければいけないという考え方ではなく、男女のどちらもが対等な存在として社会を構成している社会で、ともに利益も責任も負っている社会だと考えることが大切です。

 

 

女性活躍が言われて叫ばれていますが、それを専業主婦が価値のない存在であると考えることは非常に暴力的であると思います。

 

 

多様性が認められる社会とは、仕事をしていなければならないと決めつけることではありません。

 

 

もしも、あなたが今、専業主婦で「自分には価値がない」と感じているのであれば、「自分は非地位財という価値を生み出している貴重な存在である」ということに気が付いてほしいと思います。

 

とともに、今専業主婦だけど本当は働きたいと感じてる人が本当の気持ちを実現できるようになっていったら良いのに。

 

 

社会で暮らすすべての人が「こうあるべきだ」という決めつけられた考え方から解放されて、自分らしく暮らすことができたら良いですよね。

 

 

それでは。

 

土出麻美つちでまみでした。

 

 

 

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