「喉神」という違った視点から自分をとらえなおすことで個性や特性(自分らしさ)を受け入れて望む生き方を創っていく。土出麻美のエッセイブログ

子どもが親に頼ることを諦めて一人で生きようと考える時

 
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「Yes★喉神サマ⁈」の著者。 小学生と中学生の母親で義母のお世話もしている主婦。 社会福祉士の国家資格を持ち、福祉施設や行政機関で支援員・相談員の経験あり。結婚出産育児をきっかけに自分の心の闇と向き合うことになり、それがきっかけでヒプノセラピーやヒーリングなども学んだ。 県の男女共同参画アドバイザー養成塾を修了。
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先日、北海道で小学生の男の子が置き去りにされて行方不明になった事件がありましたね。男の子は車が走り去った方向とは逆の方向の陸上自衛隊の演習場の建物の中で発見され保護されました。なぜ、男の子は車が去った方向とは逆の方向にいたのか、などたくさんの疑問が残されていました。

 

その事件で、ふと、思い出したことがありました。筆者自身がまだ小学生だったころ、母親から怒られて「出て行け!」と家の外に締め出されて、鞄に服を入れて一緒に外に出されたことがあったのです。理由はたしか、ピアノのレッスンを忘れていたか、そんな理由だったように思います。その時、私は鞄を持って、「これからどうしようかな?」と考えていたのを覚えています。

「許して」「中に入れて」とは考えずに、これからどうやって生きていこうかなって考えたのです。お財布は一緒に放りだしてくれなかったし、お年玉を入れているはずの通帳も放りだしてくれたら良かったのに…って考えていました。

結局、その時は玄関の前から私がいなくなっていることに気がついた母親がビックリして見に来て、そこでなぜか「もう家に入らん出いいんやな!」とかって怒鳴られて、あわてて「入る~!」って家に入ったのですが、心の中では、(なんや、入っていいんかい)って感じだったと思います。

 

日ごろから「いらん!」「出て行け!」と言われている子どもはその言葉を受け取っている

ではなぜ、「出て行け!」と締め出された筆者が「許して」と泣くのではなく「しょうがないな」と考えたか、と言うと、普段から怒られたり機嫌が悪い時なんかに「出て行け」とか「いらん」とかそういった言葉を言われていたからなのですよね。普段からそういった言葉を言われていると、言っている親からしたらもちろん「そんなの本気なわけない」のですが、言われている子どもからしたらそんなことはわからないのでその言葉のまま受け取っているわけです。いつも言われていて(時には放り出されていて)、ついにまた追い出されて鞄まで出されたら、もうあきらめてどうにかするしかないよね…と考えたわけです。別の意味で「親の心、子知らず」ですよね(笑)

母親としたらいつも通り「ごめんなさい」と泣いて言ってくると思ったのでしょうね。でも、いつも言われているから、許してもらおうとすることを諦めちゃったのです。

 

そんなことがあったことを思い出して、この北海道の小学生も、一回目に車から降ろされたときは泣いて車を追いかけたけど、2回目に降ろされたときには、「もうしょうがない」ってあきらめたのかもしれないな…と思いました。普段から怒られたときに言われているから、もう捨てられてもしょうがないな、自分でどうにかして生きていくしかない、と考えて自分で生きていこうとした。もちろん、本当はどうなのかは本人にしかわからないし、みんながみんなそんな風に考えるわけではないのですけどね。

でも、もしもそうだったとしたら、一人でどうにかして生きていくことを決めて、歩いて建物を見つけて、そこに入れた時はそこが「これからの自分の家だ」みたいな感覚だったのかもしれないなぁなんて思ったりしました。大人が普通に考えたら、生きていけるわけないのですけどね。でも、そこは子どもだから、何とかできると思ったのではないかなと思います。

親って、本当はそんなこと考えていなくても「そんな子はいらん」とか「出て行け」とか簡単に言ってしまいますよね。もちろん、そんなこと言わない人もいるのかもしれないけど。私は子どものころ、よく言われていましたし、自分の子どもにも言ってしまうことがあります。「いらん」までは言わないけど、「出て行け」は言っちゃうときありますよ。その時はそんな風に怒って、それが過ぎればなかったことのように感じているけど、子どもはそれも受取っているのですよね。「本当はそんなこと思ってないよ。ごめんね」なんてフォローまでできている人って少ないんじゃないかなと思います。

 

締め出しなどに教育的効果はない

それで、今回の置き去りの件で教育関係の専門家は「置き去りに教育的な効果はない」と言っているようですが、それはその通りだと思います。なぜなら、筆者自身がその締め出しの時、反省した記憶がほとんどないからです。そもそも、なぜ締め出されたか、ハッキリ覚えていない上に、ピアノのレッスンでそこまで人格否定されて放り出されるほどのことなのか、今でもわかりません。そこまでピアノって大切なのかな?と思いますね。

今になったらピアノの月謝だって高いし、きちんと真面目に取り組んでほしかったのだろうという気持ちはわかりますが、それならそう伝えたほうが良かったのじゃないかなって思います。と、言うのは簡単だけど、なかなかその時にはそんな風に言えないものですけどね。

 

なぜ怒っているのか、なぜいけないことなのか、といった理由をきちんと伝えないと、「怒られるからダメ」といった認識になってしまうので、きちんと理由が理解できていないままになってしまいます。理由をしっかり理解できて、なおかつ約束が守られなかったら、カッとなってしまいますが、本当は一回でできる人ってそんなにいないですよね。大人でも一回でできる人とできない人がいますからね。子どもも何回も同じこと言わないといけないと思いますよ。「前にも言ったのに!」って、ついついイライラしちゃうんですけどね。

しかも、不思議と自分の子どもが自分の思い通りにならない方がイライラしてしまったりするのですよね。でも、だからと言ってイライラしたからって怖い目に合わせてもあんまり意味がないですよね。「しつけ」という名の憂さ晴らしみたいになっちゃいそう。もちろん、そんなつもりはないのですけどね。

 

他人からの自分の評価が気になると子どもへのイライラも増す

自分の子どもにイライラする原因のひとつが他人からの自分の評価が下がるかもしれないという不安です。「子どもがこんな風だと自分がこう思われるんじゃないか」とか言うことが気になると、大したことないことでも子どもにイライラしたりしちゃうんですよね。だから自分の子どもの方が気になってイライラしがちになるのです。

そもそも論として、他人の目なんて気にしないのが一番良いです。ほかの人は好き勝手言いますからね。何か悪くいう人がいても関係ないのですよ。悪くいう人がそう感じているだけのことであって、実際は悪くないかもしれないでしょ?たくさん人がいて、みんな感じ方が違うのですよ。そのすべての人に認められる必要ってないと思うのです。

明らかに犯罪とかはダメですよ。でも、明らかな犯罪を犯す人なんて本当に少なくて、実際はどちらでも問題のないようなことを「これが良い」「これは悪い」言っているだけなので、気にせずに、自分が良いと思うことをしていたら良いと思うのです。

 

しつけでもそうで、人の目を気にした理由で怒るのか、本当に大切で伝えないといけないことで怒るのかは別だと思うのですよね。人の目を気にした理由で怒ることをなくしていけば、親子共々ずっと楽になると思うし、怒る機会も減ると思うのです。イライラもずっと減りますよね。人の目を気にしなくても、自分が必要だと思うことをきちんと理解できるように伝えていくだけでちゃんと良い子に育つはずです。

 

人の目を気にしない育児で子どもの自己肯定感を育てたい

人の目を気にして子どもを叱っていると、怒らないといけない機会が増えます。子どもがちゃんとしていないと自分の評価が下がる、と思ってしまうので必死になりますしね。

 

家庭によって考え方や方針は違って当たり前だし、人によって考え方は違います。しつけの方法だって、それぞれだと思いますから、どれが良いというような答えはないと思うのですよ。ただ、子どもに「お前なんかいらない」と言ってしまって、それが常習化するのは子どもの自己肯定感を下げることにつながりやすいと思うのです。その子の性格によっても違うだろうし、後からきっちととフォローができているのなら別ですけどね。

でも、子どもが「自分はいらないから捨てられても仕方ない」とあきらめる状態というのは明らかにその子の自己肯定感は下がっていますよね。なぜなら、「自分はいらない」と認めてしまっているわけだから。そんな風に自分を下げてしまうことがあっても、また、自分を認めていけるようになることもできます。でも、できればそうではなくて、「自分は価値のある素晴らしい人間だ」って自分を認めていく心を育てていきたいじゃないですか。

 

そのためにも、子育てをしている親自身が自分のことを認めて、他人の目を気にせずに自信をもって子育てしていけるようになっていきましょう。もっと気楽に、大きな心で子どものことも子育てしている自分のことも見ていけたら、少しずつでも変わっていくはずです。親子がどちらも認め合って幸せでいられるような社会にしていきたいですね。

 

土出麻美

 

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「Yes★喉神サマ⁈」の著者。 小学生と中学生の母親で義母のお世話もしている主婦。 社会福祉士の国家資格を持ち、福祉施設や行政機関で支援員・相談員の経験あり。結婚出産育児をきっかけに自分の心の闇と向き合うことになり、それがきっかけでヒプノセラピーやヒーリングなども学んだ。 県の男女共同参画アドバイザー養成塾を修了。
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