自分の個性や特性を受け入れ認めることから私らしい生き方を創っていく。男女ともに輝く社会を。土出麻美のエッセイブログ

献血ポスターが”胸強調”している件の何が悪かったか解説しよう

WRITER
 
この記事を書いている人 - WRITER -
小学生二人の母親で義母のお世話もしている主婦。 社会福祉士の国家資格を持ち、福祉施設で支援員・相談員の経験あり。結婚出産育児をきっかけに自分の心の闇と向き合うことになり、それがきっかけでヒプノセラピーやヒーリングなども学んだ。現在は市の男女共同参画にも関わっている。
詳しいプロフィールはこちら

献血ポスターが”過度に性的だ”と炎上しているのはご存じでしょうか?

 

これについて、いろんな意見が出ています。

いろんな考え方があって良いですが、私はこのポスターは不適切だったといえると思っています。

 

 

その理由はとても簡単で、内閣府の男女共同参画局の出している「公的広報の手引き」に、まったく即していないからです。

 

 

このポスターの企画を通した人は、「公的広報の存在を知らなかったのかな?」という感じ。

 

 

もしも知っていたのなら、あのような胸の大きな女性のキャラクターを、しかも、明らかに強調したデザインのポスターは作っていないだろうと思うのです。

 

 

「表現の自由」は個人には保障されていますが、公的な広報には気を付けなければならないポイントがあります。

 

献血のポスターは間違いなく公的な広報になりますから、個人に保障された表現の自由とは異なるものだと考えるべきだと思います。

 

 

個人が好き嫌いがあったり自分自身を表現することは本人の自由ですが、公的なものはそうはいきませんよね。

 

 

献血ポスターは公的な広報だからこのイラストは不適切だといえる

 

献血ポスターは公的な広報です。

 

 ★ 公的な広報とは?? ★ 

 

  • 公的なとは?…公(おおやけ)のもの。公共のものという意味。
  • 広報とは?…情報発信のこと。

つまり、公共の情報発信のこと。

 

 

日本赤十字の献血を呼びかけるためのポスターは、個人が発信するものではありませんから、公共の情報発信ということになります。

 

 

日本には男女共同参画基本法があって、男女平等でなければなりませんから、公的な情報発信には男女共同参画の視点が必要になります。

 

 

このために、公的な情報発信には気を付ける必要があり、気を付けなければならないポイントが内閣府から「公的広報の手引き」として出されています。

 

 

その内容はこちら。

  1. 男女いずれかに偏った表現になっていないか。
  2. 性別によってイメージを固定化した表現になっていないか
  3. 男女を対等な関係で描いているか
  4. 男女で異なった表現を使っていないか
  5. 女性をむやみにアイキャッチャー(※)にしていないか

※広告に注目させるための視覚的要素のこと

引用:平成17年度版男女共同参画白書「男女共同参画の視点からの公的広報の手引き」

 

この手引きが出されてからは、テレビのCMもずいぶん変わっているんです。

 

 

「公的広報の手引き」のより詳しい内容は、PDFをダウンロードすることができます。

 

 

献血ポスターのどこが公的広報の手引きにあってないのかを解説しよう。

 

それでは、上に紹介した「公的広報の手引き」を見ながらこのポスターのどこが公的広報として不適切だったのかを解説したいと思います。

 

 

まず、この献血ポスターは、胸の大きな女性のキャラクターがウェイトレスっぽいエプロンをつけて食べ物を運んでいるイラストです。

 

 

この漫画のことは私は詳しくないのですが、客観的に見てそういうイラストです。

 

これだけのイラストで、注意すべき点のいくつもに引っかかっています。

 

 

まず、一番わかりやすいのが5番の「女性をむやみにアイキャッチャーに使っていないか」という部分です。

 

この5番にはっきりと明記されているのが、「内容とは関係なく女性の体や一部をポスターで使っていないか」と書かれていて、そうすることは「『性的側面を強調している』と受け取られる恐れがあります」と書かれています

 

今回、まさにその通りになっていますよね。

 

 

もう一つ、少しわかりにくいかもしれない表現が、エプロンをつけて食べ物を運んでいるという表現で、これは、2番の男女の役割を固定化した表現となります。

 

 

男性でもそういうことをする…というのはもちろんありますし、わかります。

 

 

とはいえ、日本ではまだまだ、食事を運ぶとか、お茶を入れるというのは女性の仕事で男性はしないというイメージが非常に強いですから、このイラストを使うことはイメージを固定化してると言えます。

 

そもそも、献血と全く関係がないですから、見た人に「おかしい」と思われてもまさにその通りとしか言えないと思いますよね。

 

 

もっと言えば、女性しか描かれていないから、1番の「男女どちらかに偏ってないか」という部分でも偏っていると言えます。

 

3番の「男女が対等か」という部分もこのイラストではちょっと微妙な感じがします。セリフが「先輩」となっていることからこのキャラクターは立場が低いのかな?ってイメージする可能性は十分にありますし。

 

 

つまり、手引きに書かれている留意しなければならない点について全く留意されてないよね?という印象しかないです。

 

だから、このポスターが不適切だと炎上したのは、手引きについてきちんと留意していなかったことが原因だとしか言いようがないと…。

 

 

「手引き」が出てからテレビCMはどれだけ変わったか

 

この手引きが出てから、テレビCMはめちゃくちゃ変わっています。

 

 

洗濯洗剤のCM、昔は女性でしたが今は男性です。洗濯=女性というのが固定化したイメージにつながるからです。

 

食事を作っているシーンも男性であることがずいぶん増えましたし、食器洗いも男性のCMが増えました。

 

 

昔は、宣伝したい内容と全く関係ないのに水着の女性が出てきて、「これを食べる?それとも、あ・た・し?」なんて言っているようなものが流れていました。

 

今はそんなCM絶対にしませんし、今知んなCMが流れてきたら確実に炎上します。

 

 

それだけ日本人が「これっておかしいな」って気が付くようになったということなんですが、まだまだ浸透しきっていないので、今回のポスターみたいな、ちゃんと理解できていないようなものがたまに出てきています。

 

 

だけど、こうやって炎上したりすることも、少しずつ認識が進んでいる証拠かなって思います。

 

炎上もしなかったら、誰も気にもとめてないってことになるから。

 

 

スポンサーリンク
   

このポスターの問題点は社会背景にあると思った

 

このポスターが炎上することでいろんな意見が出ていますが、今回の件ではもちろん、このポスターのキャラクターが悪いわけではありません。

 

この漫画のことが好きな人が悪いわけでもありません。

 

 

そして、もちろん胸の大きな女性が悪いわけでもなく、ポスターに反発している人が悪いわけでもありません。

 

 

問題は、この記事で紹介したような「男女共同参画の視点からの公的広報の手引き」というものが存在していながら、そこに留意されていないような公的広報が出てしまったこと。

 

 

これが出てしまった背景には、一つの大きな考えられる問題点があります。

 

たぶんなんですが、このポスターを採用するかしないかを決定する場に女性はいなかったか、いてもしっかり声をあげることができない環境だったんじゃないでしょうか?

 

 

おそらく、女性がいたらこのようなポスターは献血にはあってないかな?と考えることができると思いますので、これが採用されることはなかったんじゃないかと思いますね。

 

 

こんなポスターが出てきて、炎上すること自体が、まだまだ女性が活躍できていないという日本の社会を映しているんじゃないかな?と思います。

 

 

「フェミニストがうるさい!」とか、そんな意見が出ることも、やっぱりまだまだ女性の立場は低いんだなぁ…と、そう思ったのでした。

 

 

というわけで、実は書いている途中の記事もあるのですが、今回は急遽、話題になっているポスターについて紹介してみました。

 

 

それでは。

 

土出麻美つちでまみでした。

 

またね。

この記事を書いている人 - WRITER -
小学生二人の母親で義母のお世話もしている主婦。 社会福祉士の国家資格を持ち、福祉施設で支援員・相談員の経験あり。結婚出産育児をきっかけに自分の心の闇と向き合うことになり、それがきっかけでヒプノセラピーやヒーリングなども学んだ。現在は市の男女共同参画にも関わっている。
詳しいプロフィールはこちら







- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください