男女共同参画社会って?なぜそうする必要があるの?必要な理由とは
「男女共同参画」という言葉をよく聞くようになったと思いませんか?
2015年に女性活躍推進法が交付されたこともあり、「女性の活躍」があちこちで言われるようになって、男女共同参画、ジェンダー平等がよく言われるようになりました。
とはいえ、「そもそも男女共同参画って何?」とピンとこない人が多いのではないでしょうか?
今回の記事は、男女共同参画社会ってどういうこと?という話から、なぜ男女共同参画社会が必要なのかということについて紹介したいと思います。
この記事の目次
男女共同参画社会ってそもそも何?
男女共同参画社会とは、男女が共に対等に、本人の意思によって望む活動をすることができ、ともに平等に利益を享受できる社会、ということです。
これは、「男女共同参画社会基本法」という法律で内容が明記されています。
※参考記事:男女共同参画社会基本法って何?内容をかみ砕いて説明してみた
男女が平等で対等に社会を担うということが大切だと書かれているこの法律は、古くからの慣習で女性は家で家事育児をして、男性は外で働くということを強制することをなくして中立にできるようにしなければならないということも明記されています。
男性も、女性も、対等な立場として働くことも家事をすることもお互いに責任をもっている必要があるという、平等に社会を担っていくための法律です。
男女共同参画社会ってなんで必要なの??
これまで、日本では長い間、男性が仕事をして女性が家にいて家事育児をすることが良しとされてきました。
こういった性別での役割分担をなくして、男女が平等で対等な社会にしましょうということなんですが、これに対しては、「今までこれで来たのに、なんで急にそうなるんだ」と疑問を感じる人もいるかもしれませんよね。
これには理由があります。
理由は一言で言ってしまうと、「女性の力が必要だから」それが一番です。いろいろ細かい理由は言えるけれど、一番はこれです。
今までの家父長制で、男性だけで社会を担っていくにはもう限界が来ている、というわけです。
女性差別がどうのっていう、人権の問題ももちろんありますが、それよりも強くあるのが女性の力が必要だからなんです。
この理由は大きく二つに分けられます。
一つが、少子高齢化で現役世代が少なくて女性にも働いてもらわないと社会が回らないということ。もう一つが、女性の参画がなければ経済成長が見込まれないところまで来ているからです。
一つずつ紹介していきます。
少子高齢化が進んで女性の力が必要
日本の重要な問題のうちの一つが少子高齢化です。
この問題はとても深刻な問題で、現役世代は本当に少なく、一人の高齢者を二人の現役世代(細かく言うと1.9人)で支えているような状態なのが現状なのですが、これは、実はもっと少ないということができるのです。
なぜなら、働いていない人も現役世代の数の中に含まれているからです。
というのが、現役世代と言われている年齢は15歳から64歳なので、通常、15歳は仕事をしていませんよね。まだ高校生ですから、学校に通っている世代です。
実際に働きだすのは、大学を卒業してからだとしたら、22歳からですから、人数のうちの15歳から22歳は働いていないと考えるのが妥当でしょう。
そして、小さな子供がいる女性など、働いていない女性もいるわけですから、実際、高齢者を支えている労働者はもっと少ないということができるんですね。
一人の労働者が一人の高齢者を支えている状態に近いと考えられます。
子どもの数も少ないので、今後増える見通しもありませんし。
なので、労働力として女性の活躍なしではとても社会が成り立っていかなくなってきているのが日本の現状で、女性の社会参画は急務の課題であるということができるのです。
経済成長のために女性の力が必要
経済成長のために、女性の社会参画が必要です。
ジェンダーが平等であるかどうかの指数であるジェンダー指数は世界経済フォーラムが出しています。その理由は、女性の社会参画が経済成長に大きな影響を与えることがわかっているからです。
単純に考えてみても、世の中の人口のうち、ざっくり半分は男性で半分は女性です。
細かく言うと、若い世代は男性の方が少し多くて、高齢になると女性が多くなるのですが、そういった細かいことはここでは置いておきましょう。
世界の半分は女性ですから、半分の意見は女性の意見です。
今、社会の中で、管理職や議員のような意見を出し合って物事を決定していく権利のある場にいるのはほとんどが男性なのですが、男性が考えたことをばかりを実施していくのではなく、女性の意見を取り入れていくことで経済が大きく動くといわれています。
ジェンダー指数の低い、日本はもはや、経済成長だけを見れば後進国といわれる状態になっているのです。
同じ対応の人間が考えることではげんかいがきてしまっていて、様々な意見を取り入れて改革していくことが経済成長には欠かせないのです。
つまり、男女が平等で対等に社会活動に参加することで経済は成長し、社会も暮らしやすくなる、ということができます。
確かに、女性が参画することで経済成長するってわかる部分があると思いませんか?
女性の方が明らかに、男性よりも細かい部分に気が付く人が多いですから、そういった視点を取り入れることで変わることは多くあるのでしょう。
購入する側も女性が多くいるわけですから、女性が考えた方が購買意欲がそそられるものが作れる可能性が高いですよね。
もちろん、女性にだっていろんな人はいるわけですが…。
今の長く続いている不況も、女性の社会参画が増えることで改善される可能性が高くなるということができるでしょう。
今、世界ではダイバーシティ(多様性)が経済成長に必要であるということが共通の認識であり、多様な考え方を持つ人が求められているのです。
女性の社会参画を進めるために、男女共同参画は欠かせない
女性の社会参画を進めるために、男女共同参画社会を進めることは欠かせません。
既存の家父長制の考え方のままでは女性が働くことが難しく、女性ばかりが家事も仕事もしなければならない…というようになってしまいます。
それでは女性が仕事をすることが難しいだけでなく、子どもを持つことも難しくなってしまうでしょう。
そうなると、少子高齢化の問題は解決しませんよね。
男性と女性が対等に社会での責任を担うことは、ただ女性が仕事をするということではなく、男女ともに家庭のことも担って、子育てもしながら働くこともできるように抜本的な社会の改革が必要なのです。
性別によって決められた役割を個人に押し付けるのではなく、男女が対等に権利も利益も責任も担う。
そうすることが今の社会の問題を解決していくことにつながっていきます。
これまで男性がやってきた仕事のやり方に女性が合わせるのではなく、男性も女性も、どちらも働いて子育てもできるような社会にしていくことが大切だというのが、「男女共同参画社会」の考え方です。
というわけで、今回は、男女共同参画社会の必要性について紹介しました。
それでは。
土出麻美でした。