「喉神」という違った視点から自分をとらえなおすことで個性や特性(自分らしさ)を受け入れて望む生き方を創っていく。土出麻美のエッセイブログ

小さな日常の中に隠れる男女差別に気が付くことが変わるための第一歩なのだろう

 
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「Yes★喉神サマ⁈」の著者。 小学生と中学生の母親で義母のお世話もしている主婦。 社会福祉士の国家資格を持ち、福祉施設や行政機関で支援員・相談員の経験あり。結婚出産育児をきっかけに自分の心の闇と向き合うことになり、それがきっかけでヒプノセラピーやヒーリングなども学んだ。 県の男女共同参画アドバイザー養成塾を修了。
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あぁ、私たちは子どものうちから、多くの小さな男尊女卑の中にいて、それを特に意識化することなく暮らしているのかもしれない…。

そう思った。

意識せずに抑圧された気持ちをため込んでいるのかも…

男女共同参画アドバイザー養成塾に行き始めた初日に紹介された、「82年生まれ、キム・ジヨン」という書籍を読んでそう思ったのです。(この本は映画化されて、2020年10月~公開されています)

(※男女共同参画アドバイザー塾についてはこちら:男女共同参画アドバイザー養成塾(23期)1日目に参加してきたまとめ

女というだけで、堕胎の理由となり、劣った存在として残り物を分けることが当然。性被害にあえば被害者が悪いと言われ、就職は男子学生が優先され、やっと就職できても男子の方が給料が多い…。

そんな、韓国人女性の受けている日常的な女性差別を、日常の生活の中で表現されていたこの著書は、よその国のことだと割り切ることができない、日本にも似たようなことがあるなって思ったのです。

「82年生まれ、キム・ジヨン」を読んで感じた、生まれる前から染みついた差別意識に気が付くことの大切さ。

「82年生まれ、キム・ジヨン」は、書かれていることは韓国のことだけれど、読み進めているうちに、「あ、これって日本でもあるな…」と気が付くことが出てきます。

この本の中では、出産する前にお腹の子どもが女の子であるということがわかるだけで堕胎の理由として許されていたり、母親世代の話では、女の子だというだけで、男の子の進学のために働きに出るといった、明らかな女性差別が書かれています。

そこだけ読むと、日本ではそんなことないかのように感じるけど、読み進めて日本でも共通する部分を見つけたときに、日本でも同じように生まれる時点で男の子の方が喜ばれたりしているということに気が付いてくるのです。

確かに、男の子を生んだ時の方がお祝いされ、跡取り息子が生まれたように言われる…。

特に家業もなにもしていないのに、です。

名前を継ぐ子ができた…みたいな?

私自身も男の子と女の子を出産を経験しましたが、息子を出産した時の方が明らかに頂いたお祝いが多かったし、「これ、なんだろう?」というようなよくわからない縁起物をいただいたりしました。

義母からは「長男が生まれたからやろう。」と言われました。

女の子を産んだ時にはそのような縁起物いただくことはなかったですね。むしろ、初正月のお祝いとかもなかった。

出産のシーンから始まって、人生のいろんな場面で起こる差別が、言われてみれば日常的に繰り返されている中にとても自然に起こっていて、こうやって書かれていてやっと意識化されるんです。

あぁ、そういえば、こういうこともある…って。

私たちは生まれたときからごく当たり前に差別的な接し方をされているけれど、それはそうする大人田下それが当たり前で生きてきていて、「差別だ」って感じないんです。

明らかなものは「差別だ!!」って思うけど、何となく、気が付かずに見過ごしてしまっていることがたくさんあって、それがずっと繰り返されているんだって。

そう思いました。

心の中ではどこか違和感があるはずなのに見過ごしてしまっている。

それを改めて意識化することって大切なのだろうなって、そう思ったのです。

気が付かないで「これで良い!」って思ってそのままで進んでいくことが、結果的に社会も経済も停滞に追い込んでしまっているんですよね。

性別の違いだけで違う対応になっていることが当たり前になっていることに気が付くことが大切。

なんで、女の子だとお祝いが少ないのかとか、なんで、女性が性被害にあったときに被害にあったはずの女性側が悪いように言われるのか。

これってすべて、女性が男性より劣った存在であるという価値観が本当は隠れているんですよ。

女性は成績が良すぎてもダメ。

男性よりも立場が上だとダメ。

かわいらしく笑っていればよい。

女は愛嬌。男は度胸。これってなんで?って考えないといけないんだなっていうことに気が付いたんです。

愛嬌って、もちろんニコニコしている方が良いかもしれないけど、それって女だからとか男だからとかあんまり関係ないんですね。本当は。

例えば接客業している人、男性でも女性でもニコニコしていた方が良いでしょ?

そういう、日常の中の小さい「女だからこうあるべきだ」や「男だからこうあるべきだ」というものが、それって本当に性別関係あるの?って疑問に気が付かないといけないんですね。

なんか、「なんで女性だったらそうするのですか?」って言ったら「そんなぐらいで大げさな…」とか「過敏になりすぎ」とか言われそうやし、そう考えてしまうのもわかるけど、それをあえて言っていくことが、「あれ、そういえば変だな」って気が付いていくきっかけになるんだろうと、そう思ったのです。

気が付かないと変えることもできないから。

第一歩として、気が付くことが大切なんだろうって思うんです。

たくさんつらい思いをした、死ぬほど痛い思いをして子どもを産んで、生活も仕事も夢も捨てて、自分のことをほったらかしで傷ついているキム・ジヨンに伝えたいこと

この本を読む中で、私が一番泣いた場面が、キム・ジヨンがひどい言葉を浴びせられてそのことについて訴えるシーンです。

そこでのセリフをこの見出しに引用させてもらっていいます。ここが、本当に共感できる部分で、きっと子どもの出産を機に仕事をやめて子育てしている人で共感する人が多いんじゃないかと思うんです。

結婚して名前も変わって、住む場所も変わって、仕事とか、いろんな環境が変わって、捨てたって思うもの失ったって感じるもの、少なくないんじゃないかと、そう感じるのですよね。

子育てしているときって、なんか社会で仕事していないからって、まるで楽でもしているかのように「気楽で良い」とか心無い言葉をかけられることもあるけど、別に気楽じゃないと思うんですよ。

気楽にできる人もいるだろうけど、たくさん悩んで苦労して、苦労している人が多いんです。だって生まれたばかりの何もわからない一人の人間を育てっていくんですよ?

なのに、まるで価値がないように思われている。

社会とは人がいなくては社会として成り立たない。その一番大切な構成要素である人間を産み育てるということをしているのに。

だから、この時のキム・ジヨンはほんとに苦しいだろうと思う。

でもね、そんなキム・ジヨンに伝えたいことがあるんです。

その伝えたいこととは、今、あなたがしていることは、とても苦しみを伴うことではあるけれど、それはとても大きな幸せにつながっていることだということ。

そのことに、いつか気が付ける日が来るってこと。

それを伝えたいなって思います。

本当に苦しくてつらいけれど、子どもたちはだんだん成長していく。

大きくなってきたときにこの時の苦労を超えてきたからこそのきずなができているんですよね。

誰にも間に入れないような固い絆。

何よりも強くて、誰よりも強く結ばれていて、今まで自分一人のように感じていた心が、自分は一人ではないんだと気が付くことができる。

本当に、何にも代えられない宝物を手に入れているということ。

今は苦しくても、これは幸せの芽でしかない。

だから、大丈夫。

子どもを産んで育てるということは、とてもつらく苦しいこともあるけれど、実はすごく幸せなことだって、あとから気が付くことができるから。

そして、今も、そんなに苦しまなくて良いよって伝えたいです。

キム・ジヨン、あなたがたくさん傷ついてきた、抑圧されてきたことは、これから絶対に変えていくようにしよう、そう、伝えたいですね。

みんなで気が付いて変えていくことが、新しく傷つく人を作らないことにつながる。

自分たちの子どもは、もっと楽な気持ちで生きていくことができるように、気が付いた人から変えていくのが良いんだろうと、そう思うのです。

82年生まれ、キム・ジヨンを読んで気が付いたことは日常の中に潜んでいる小さな差別に気が付くことが傷つく人のいない社会に変えていく第一歩だということだった。

「82年生まれ、キム・ジヨン」この本を読んだきっかけは男女共同参画アドバイザー養成塾の初日ですすめられていたからだったのですが、とても良い本でした。

普段何となく気が付かずに見過ごしている小さな差別は、生まれたときからそれが当たり前のこととして意識に埋め込まれていて、それが女性を傷つけるだけでなく、時には男性も傷つけることになる。

だから、そんな気が付かないような小さな違和感にきちんと意識して気が付くようにすることで、それらをなくしていくきっかけにすることができる。

それが、男女ともに暮らしやすい社会に変えていくきっかけになるのだろう…。

そう思いました。

気になった方、ぜひ、読んでみてくださいね。

それでは!

土出麻美つちでまみでした。

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「Yes★喉神サマ⁈」の著者。 小学生と中学生の母親で義母のお世話もしている主婦。 社会福祉士の国家資格を持ち、福祉施設や行政機関で支援員・相談員の経験あり。結婚出産育児をきっかけに自分の心の闇と向き合うことになり、それがきっかけでヒプノセラピーやヒーリングなども学んだ。 県の男女共同参画アドバイザー養成塾を修了。
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