育児中に介護もしないといけなくなったら~サービスの使い方
小さな子どもがいて子育てに奮闘しているときに親や誰かの介護をしないといけなくなったら、あなたならどうしますか?
今回は、子育て中に介護をしないといけなくなった時にどうしたら良いかについて紹介したいと思います。
育児と介護を両方しないといけなくなる時
一般的に考えて、子どもが小さいうちは親もまだ若いから「介護なんて関係ない」と思っている人も多いかもしれないですね。でも、実はそんなこともありません。
介護が必要になるときってどういうときかって言うと、もちろん、自分たちの親が歳をとってきて必要になることもあります。
それ以外にも病気、特に脳梗塞とか脳血管障害ですね。あとは事故で体にマヒが残ってしまったとか。そういったことで介護が必要な状態になることがあります。
だから、介護しないといけない人はあなたの親かもしれないし、あなたのパートナーの可能性もある訳です。
特に最近は結婚する年齢も上がっているし、子どもを産む年齢も上がってきているので、育児と介護を両方しないといけないようになる人が増えていくんじゃないかなぁと個人的に思っています。
単純に考えて、38歳で子どもができて、さらにその子が同じ38歳で子どもができたなら、その時は76歳になってますからね。76歳といえばまだまだ若くて元気な人ももちろんたくさんいてますが、介護が必要になっている人もいます。
私が福祉施設で相談員をしていた時に出会った、介護が必要だった人の中で1番若かった人は40代でした。その人の子どもはまだ大人になっていなかったですね。
だから、育児と介護が必要になることもそんなに珍しいことではないんです。
サービスを上手く使って自分の時間を作る
育児だけ、とか、介護だけ、でもものすごくストレスがたまりやすくて大変なことなのですが、両方となるともっと大変です。
両方を一人でするとなるとかなりの負担がかかります。子どもの年齢とか、介護を必要としている人がどのくらい介護が必要かによっても全然違うので人によって状況は全然変わってきますが、状況は違ってもやっぱりしんどいことが本当にたくさんあると思います。
しないといけない状況になってみないとわからない苦労がや悩みがたくさん出てきますよね。とにかく自分の時間が取れなくなってしまったりします。
ですので、私は使えるサービスを使ってできるだけ介護者の息抜きになるような時間を作ったりすることをお勧めします。
どんなことも抱え込みすぎたりせずに息抜きしながらすることって大切です。
介護している人の交流会に行って思いや大変さをシェアしあったり、友達と出かけたり、悩みを相談したり。そんな時間がとても大切になってくると思います。
育児も介護も24時間365日、常にかかわっていないといけないことだからです。少しでも気楽に息抜きをしながらしないと倒れてしまいます。
ただ、サービスを利用することも無料ではないので計画的な利用が大切にはなります。でも、利用することで少しゆったりする時間ができたりホッとする時間ができるならそれに超したことはことはないのではないかなと思います。もちろん、どうするかを決めるのはあなたなんですけどね。
利用できるサービス①介護保険
介護が必要な人が受けられるものに介護保険があります。これは40歳から国に保険料を支払っている介護保険の制度です。
介護保険の認可が下りているサービスを利用するときに利用料を全額負担しなくても介護保険から保険料がおりるようになります。利用を希望する人は市役所の介護保険課に申請する必要があります。
申請をすると介護保険の認定調査が行われます。認定調査員が訪問してくるのと、主治医の意見書が必要になります。
調査員が来たときに伝えるのは、「できることを伝える」というよりも「こういう所で手伝いがいる」とか、「こういう所で不安に感じている」とかいうように、困っていることを伝えた方がこの人にどういったお手伝いが必要なのかとか、どういう所が困っているのかが調査員にはっきりと伝わりやすいです。
認定調査が終わると結果(介護保険証)が届くまでしばらく待ちます。その結果が何かで介護保険を使ったサービスの受けられる量が変わってくるのです。
結果は『要介護1~5』『要支援1,2』『自立』があって『自立』は介護保険のサービスを受けることができません。(2016年11月現在)
『要介護』と『要支援』の違いは何かというと、『要介護』は介護が必要な状態で、『要支援』は介護の必要はないけど日常の生活のお手伝いが必要だということです。
介護保険証が届くとサービスの利用ができるようになります。届いた介護保険証に『要介護○』と書いてあったら居宅介護支援事業所(ケアマネージャーがいるところ)に行って困っていることや使いたいサービスの話し合いをします。
『要支援○』と書いてあったら地域包括支援センターに行って使いたいサービス等の相談をします。
出た結果によって使えるサービスの量が変わるので、自分たちがどういったことに困っていてどうなるのが一番良い状態になるのかを話し合って決めていきます。
この時に、「担当者の人が自分たちの希望をあまりきちんとくみ取ってくれていないな」と感じたら担当者の変更を願い出て良いと思います。担当者も人間ですので、「合う・合わない」があるんですよね。
例えばどこかの施設のサービスを利用するにしても、家に来てもらうサービスを受けるにしても、間に入って調整をしたりするのがケアマネージャー等の担当者なのです。そこがかみ合っていないとどのサービスもかみ合いにくくなります。
どこか入所施設に申込するときもそうです。この人だと安心だなって思える人が良いと思います。
利用できるサービス②保育園
次に、子どもを預ける場所ですが、介護の必要がある人が同居している家族であれば、子どもを保育園へ入所させることができます。(お住いの地域の市役所などで確認してください。)
保育園といえば両親が働いていないといけないようなイメージがありますが、それだけではありません。働いている状態でなくても「保育が欠ける状態」であれば申し込みをすることができるんですね。
ただし、介護が必要な人と同居していない場合は保育園の申し込みはできないようです。保育園の申し込みも市役所に行きます。
保育園を申し込む要件を満たしているかの証明書を提出することが必要です。
保育園だと幼稚園よりも時間が長いため、介護もしやすくなりますし、自分の時間を作ることができるようになります。
自分の時間のために「子どもを預けるのはかわいそう」なんていう人もいますが、日々の育児と介護に追われて疲れ果ててイライラしてしまって子どもとゆっくりかかわれないようになってしまうなら、保育園に行かせることで自分の時間を持つようにして、子どもと過ごす時には少し余裕をもっていられるようになるなら、それも良いと思うのです。
あなたが一人で抱え込んで苦しい思いをしていることを喜ぶ人はいないですから。
結論(まとめ)
一般的にあまり多くみられていませんが、小さい子どもの育児中に介護をしないといけなくなることはあります。そうなった時、一人で抱え込んではものすごく大変です。
できるだけ抱え込み過ぎないように、適宜、必要に応じて使えるサービスを使うことを検討していく必要があると思います。
実際に「利用する」、「利用しない」の判断はそれぞれ家族で話し合って決めるべきことなのですが、どういったことが利用できて、もしも利用したらどういったことが便利になるのかを知っているだけでも随分違います。
知らなかったら選択することもできないですからね。ぜひ、参考にしてみてください。
土出麻美(つちでまみ)